第2回:「無理なく続けられる!痛みとコリの予防と改善」開催レポート
『シニアのための運動セミナー』シリーズ
第2回:「無理なく続けられる!痛みとコリの予防と改善」開催レポート
先月に引き続き、私たちアフターキャリア企画『シニアのための運動セミナー』の第2回「無理なく続けられる!痛みとコリの予防と改善」を開催いたしました。
講師には、理学療法士の長田昌史(おさだ まさふみ)氏をお招きしました。長田先生は、帝京平成大学健康メディカル学部理学療法学科をご卒業後、17年にわたり総合病院や療養型病院、整形外科クリニック、デイサービスなどの現場で勤務されてきました。急性期から慢性期、高齢期まで、幅広い年齢や症状の方々のリハビリ業務に従事され、近年は「からだ全体の繋がり」を診ながら、年齢を重ねても無理なく続けられ、人生を謳歌するための動きの提案に力を注がれています。
当日は90分にわたり、座学と実技の両面からご自身の体の状態を知り、痛み・コリの対策と解決策として「筋膜」を意識したセルフケアを教えていただきました。
① セミナーの全体構成
今回のセミナーは、以下の5つのステップで進行しました。
📋 セミナーのアジェンダ
- 健康とはどんな状態であるか
- 痛みのメカニズム
- 筋膜とは
- 自分の体を動かして7つの筋膜ラインを知る
- 痛みの改善対策のセルフケア
② 【座学】痛みのメカニズムと「筋膜」の重要性
セミナーはまず講義からスタートしました。特に興味深かったのは痛みのメカニズムで、「医学的な診断と、本人が感じる症状は必ずしも一致しない」という点です。画像診断でヘルニアが確認されても、必ずしも痛みが出るわけではないという事実は、痛みという現象が単なる構造的な異常だけで測れないことを物語っていると感じました。
また、外傷による恐怖が脳や神経に記憶され、身体の傷が治った後も慢性的な痛みとして現れるという「トラウマによる痛み」という話しを通じ、人間の感覚がいかに奥深く、心と身体が密接に結びついているかを痛感させられました。
さらに、痛みと姿勢の関係性や悪い姿勢が及ぼす影響についても詳しく解説していただいたほか、医療者の視点から、変形性膝関節症の進行度チェックや、整形外科を受診する際のポイントについても教えてくださり、大変参考になりました。痛みを単なる局所のトラブルとして捉えるのではなく、脳や心の働きまで含めた「全体的なアプローチ」の重要性を知るきっかけとなりました。
こうした「痛みを体全体からのSOSとして捉える」上で、鍵となるのが「筋膜」です。私たちの体は、皮膚の下に頭から足の先まで一枚でつながった「全身タイツ」のような膜を着ています。これが筋膜です。例えば、タイツの足の裏やふくらはぎ部分を引っ張ってみると、膝や腰まで窮屈になりますよね。これと同じことが体の中で起きて「痛み」として認識されます。つまり、膝に痛みがあっても原因は別の場所にあるケースが少なくありません。だからこそ、全身の状態を知る必要があるのだと深く納得しました。
③ 【実技】7つの筋膜ラインのチェックとセルフケア
実技では、「7つの筋膜ライン」に基づいた硬さのチェックテストと、それに対応するストレッチを行いました。
💡 意識する「7つの筋膜ライン」
- ① スーパーフィシャル・バックライン: 後ろ側のライン(足裏~ふくらはぎ~太もも裏~背中~頭)
- ② スーパーフィシャル・フロントライン: 前側のライン(足の甲~太もも前~腹~胸)
- ③ ラテラル・ライン: 側面(足の外側~体側~首の側面)
- ④ スパイラル・ライン: 体をらせん状に巻くライン
- ⑤ ショルダー&アーム・ライン: 肩~腕~手をつなぐライン
- ⑥ ファンクショナル・ライン: 体の前後を斜めにつなぐライン
- ⑦ ディープ・フロント・ライン: 体の深部ライン(横隔膜・腸腰筋・内転筋・足の内側)
まずは「カラダの動きチェックシート」を活用し、動きの制限の有無や、どこに突っ張りがあるかなど、今の自分の状態を記入していきました。自分ではそれなりに動けるつもりでいたのですが、いざやってみると驚くほど体がガチガチ。周囲からも「イタタ……」「(手が床に)つかない!」といった声が聞こえ、皆さん「思っていたよりも動けないな」と実感されている様子でした。
チェックの後は、先生に筋膜に基づいたストレッチや運動を教えていただき、その場で実践しました。ほんの数分、少し体を動かしただけにもかかわらず、運動後にもう一度同じチェックをしてみると、「さっきまでできなかった動きができるようになった」「動きがスムーズになった」と明らかな変化が!参加者の皆さんも、筋膜を整えることの即効性と重要性を、ご自身の体でリアルに実感されたようです。

